『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会

http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/index.html

先日8年ぶりに会ったアメリカ在住の知己と話題になった映画が『ホテル・ルワンダ』と『売春窟に生まれついて』で、「日本じゃ公開されないんだよね」「えー、なんで」なんて話をしたのですが、たまたま町山智広氏(id:TomoMachi)が日本公開を呼びかけている2本だったのでそんなことも知っていたのです。

ホテル・ルワンダ』のほうで、本格的に公開運動が始まってます。署名活動も始まってます。僕からも皆さんに協力をお願いします。知ろうとしなかったから拡大してしまった悲劇を繰り返さないためにも、知りましょう、この映画で。珍しくまじめにお願いします。いや、単純に見たいんですけど、映画好きとして。

映画で語られているルワンダ大虐殺については
『ジェノサイドの丘』フィリップ ゴーレイヴィッチ・著/柳下毅一郎・訳/WAVE出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872901584/
http://www.bk1.co.jp/product/02336530/
を読んでもらうのが一番だと思う。
以下、僕が読んだときの感想(http://tandokukoshi.versus.jp/archives/000111.html)を再掲します。

目次がないということは、つまり最初から最後までページ順通りに読んでくれ、ということだろう。

正直なところ、途中で放り出したくなるのを、ちょっとだけ我慢しながら読んだ。なじみのない国の話で、なじみのないアフリカ人の名前が次々に出てくるので、頭が追いつかないのだ。本書が告発したかったのは、だから、僕だ。

1994年、ルワンダというアフリカの真ん中にある国で100万人が殺された。この国にはフツ族ツチ族という2つの民族が暮らしている。もともと衝突を繰り返していたのが、大統領(フツ族)の飛行機事故死をきっかけに爆発、フツ族至上主義者の煽動でツチ族が大虐殺された。大まかな歴史ではそう語られてしまうけど、衝突を繰り返していたといっても、普段は仲良く暮らしていた隣人であったり、親戚であったりしたのだ。それがある日、山刀や釘をたくさん打ち込んだ棒を持って襲ってきた。

やりきれないような話が、いくらでも出てくる。なんとかツチ族の人々を救おうとするフツ族もいたし、そういう人はまた、フツ族至上主義者に襲われもした。もっとも残酷に感じたのは、

個人的な同情から、あるいは経済的もしくは性的な利益を得るために、救ったツチ族がいる。なかには、毎日定期的に殺しに出かけながら、家にはお気に入りのツチ族を匿っているという者も珍しくなかった。後から、匿っている人間を守るためには人目を引かないように誰かしら殺さなければならなかった、と言い訳をすることもあった。

ということ。それでも、国際社会はほとんど無視した。僕も、ちらっとどこかで読んだな、という程度の記憶しかなかった。

事件の1年後から、なお殺人事件の耐えない現地で生き残りの人々から話を聞き続けた本書は目次がなくて検索性に甚だしく欠ける。この構成は、狙ったものだと思う。希望の見えないこの地の空気そのものだ。ただ、それでも著者は、寄宿学校が襲われた事件で起きたあることに、「勇気をもらえないだろうか」と述べて、筆をおく。僕も、最後にこのエピソードが読めて、よかったと思う。決して「救われた」とか「希望の光が差した」ということではない。それでも、なにかをもらった、と思った。