絵本を読むにはエネルギーがいる

このごろ絵本の棚をよく見るようになって、めあたらしい世界なのでおもしろくって次々に買い込んでいる。
何冊か読んでみて思ったが、絵本を読むのって、けっこう難しい。
なにを言い出すのかとお思いでしょうが、これまでなまじ活字を素早く読むことに慣れてしまっているので、ついつい文字ばかり目で追ってしまって絵の方をちゃんと見ないままとっととページを繰ってしまい、「なんだか物足りないな」などと不遜な感想を抱きかねないのですよ、私なんかは。
なので、じっくり絵を見るということを心がけながら読むと、これがやりつけないことなので、けっこうなエネルギーを使う。
新鮮でおもしろい体験だ。
では、その買い込んだ絵本の紹介。

魔女ひとり (魔女のえほん)

魔女ひとり (魔女のえほん)

魔女、ミイラ、ドラキュラ、ゴブリンが次々に登場して、オチもしっかり決める、伝統的なホラーの意匠を借りた数え歌の本。「まけん」の造形がすばらしい。

ぶた

ぶた

ぶた ふたたび

ぶた ふたたび

ぶたがですね、多趣味なんです。ちょっと落ち込んだりすることもあるけれど、いろんな動物たちと毎日の生活を楽しんでいる様子が何度読んでも飽きない。読み込みがいのある本。

ルリユールおじさん

ルリユールおじさん

本好きには感涙の一作。製本職人のおじさんが、少女が大切にしているバラバラになった植物図鑑を立派な革張りの本に仕立て直してくれるお話。クラフトマンシップと本への敬愛がたまらない。いいなあ、本当に好きな一冊に出会って、こんなふうに装幀してもらえたら、そりゃ人生変わるよなあ。

999ひきのきょうだい (大きな大きな絵本)

999ひきのきょうだい (大きな大きな絵本)

999ひきのきょうだいのおひっこし

999ひきのきょうだいのおひっこし

私はカエラーの気があるのか、カエルの絵本はつい手に取ってしまう。かわいらしいオタマジャクシとカエルに心が和むのだが、これだけ膨大な数なのにちゃんと一匹一匹表情が違うのがすごい。

かようびのよる

かようびのよる

最後もカエルの本。こちらはかなりリアルな絵柄だけど、それでも気持ち悪いなどとは思えず、にまにましながら読んでしまうのはやっぱりカエラーだからであろうか。とつぜん葉っぱに乗って空を飛ぶことができるようになったカエルたち、ここぞとばかりに街へ繰り出す。文字はほとんどない。カエルたちの「うわーお」「いやっほー」という表情を見ているだけで楽しい。

こうしてみると、どうも脳天気な絵本ばかり選んでるな。