日本の借金について勉強
まるで経済音痴なので、気にはなっていたもののさっぱりわかっていなくて、こんな質問を人力検索にかけてみた。
ここで学んだことをまとめてみる。
1.日本の借金の大部分は国債*1である。
2.国債を持っているのは主に金融機関だが、金融機関の資金は国民の預貯金。つまり、貸し手は国民自身。
3.国がこんなに国債を発行して借金ばかりになってしまったのは、バブル崩壊後に税金だけでは予算不足になり、政府が銀行に国債を売りつけて銀行が買ったから。その背景には日本人の貯金好きという金融事情もあった。
家計の預金資産残高と保険資産残高の前年比増の金額(=資産の純増金額)は、1998年度までは毎年の国債残高純増分以上の金額となっていました。 いくら財政が赤字でもそれ以上の純増資金が家計から金融機関に供給されていたいため、政府は消化できるかどうかの心配をすることなくいくらでも国公債を発行できたのです。
恐らくこの資金供給のシステムがなかったなら(例えば、国民が機械的に郵便貯金に金を預けるという行動パターンではなく、米国の様に株や債権で運用する行動パターンをもっていたら)これほど財政不均衡が拡大することもなかったでしょうし、日本の政治家がこれほどの利権政治に走ることもできなかったでしょう。この‘金のなる木’は日本の政治をだめにした温床だったのです。
伊藤洋和「国公債券の消化能力から見る財政の行き詰まり」より
4.政府の純債務は250兆円で欧米並みであり政府は借金だけを誇張して増税を強行しようとしている、という説もある。*2
5.しかし、800兆円と250兆円の間にある「日本政府の資産」については、不良債権だったりもはや額面通りの価値のない固定資産(ダムや道路)だったりで、当てにならないという反論もある*3。
なんだか、国民から借りたお金を返せないから、国民からさらに税金を取ろうとしているという妙な構図になっているんだな。
日本の借金の正体とこれからについては伊藤洋和さんの「国公債券の消化能力から見る財政の行き詰まり」が参考になった。特に「蛇足」の太郎と花子のたとえ話がおもしろい。
国債を含め日本の財政史はFinancial Journalが参考になった。
日本の財政史(1)〜「戦争」という国家事業
日本の財政史(2)〜国債が紙くずになった日
日本の財政史(3)〜「もはや『戦後』ではない」
日本の財政史(4)〜赤字国債の登場
日本の財政史(5)〜国債流通市場の拡大
日本の財政史(6)〜バブル崩壊・・・そして現在