K2の怪談

さて、そのごの東海大学K2登山隊はどうなったかと公式サイトを見に行ってみたら、記念コラムがアップされていた。
http://www.u-tokai-k2.jp/memorial.htm

頂上アタックを前に、第3キャンプ入りした小松隊員と青木隊員は、その夜、テントに近づいて来る人の足音と、外国人と思われる話し声を聞いている。当時、ショルダーに外国隊はテントを張っておらず、人がいるはずもない。それが幻聴であるなら、2人が同じ幻聴に襲われるだろうか。やはり、この場所に亡くなった人たちの亡霊が彷徨っているのだろう。

そういえば、『K2 非情の頂―5人の女性サミッターの生と死』にも、1992年、K2のベースキャンプに到着してまもないアメリカ・ロシア隊が、「キャンプ4からベースキャンプ、聞こえますか、どうぞ?」と無線機で呼びかける人の声を聞いた、というエピソードが紹介されている。このときも2人の登山家が同時に聞いていた。山の上には誰もいるはずがないのに。女性の、イギリス人の声だったという。

僕はオカルトに対しては懐疑派の立場なので、これらを亡霊の為したこととは思わない。心身が極端に疲れているときは電子レンジのうなる音でさえ人の話し声に聞こえることがあるし(体験あり)。点が三つあれば人はそこに顔を見るという知覚のメカニズムと似たようなものが耳でも働いているのかなあ、と素人なりに考えるのだがどうだろう。

とはいえ2人同時に聞いていることの説明がうまくできない。何かしらの音を耳にして、うまく意味づけできないでいるときに、相方から「人の声だ」と言われて「あ、そうだ」と思いこんでしまったとか?