高枝切りばさみ、斧、スコップなど

16日、17日と佐久地方をうろついてきた。
目的地の一つが小海高原美術館。「フィスカルス・デザイン・ヴィレッジ展」をやっている。
http://www.koumi-town.jp/museum/
「フィスカルス」はフィンランド語読み。英語読みすると「フィスカース」。文房具ファンにはハサミでおなじみフィスカース社の故郷なのですよ。同社が1977年にアメリカへ引っ越して空き家になった村に(村人のほとんどが同社の従業員だったので)、アーティストたちが住み着いて、今ではデザインビレッジという新たな共同体ができているんだそうな。アーティストたちは協同組合を作っていて、フィスカース社も支援している。その、アーティストたちの作品展。
それはともかく、見てしまった。フィスカースの高枝切りばさみ*1。そのほか斧、スコップ、のこぎり、マルチツール。
ちょっと興奮。こんなものまで作っていたのか。ぜひ手にして動かしてみたいところだが、「作品には手を触れないでください」とのことで、指をくわえて眺めるだけ。ほかの展示品にもいえることなんだが、せめて椅子や食器のような道具類ぐらいは座ったり触ったりできるようにしてほしい。
フィスカース社についての紹介の中で、いくつかおもしろいことが書いてあった。展示ガイドの冊子から引用する。リンデンというのは商品開発チームのリーダーさん。

 特に家や庭で使うものに関しては、極端にアバンギャルドな外見はあまり意味を持たない。優れた製品は正直でシンプルだ。「これなら自分でつくれたかもしれない」と言われたら、製品のデザインは成功したということができる、とリンデンたちは考えている

もう一つ。

とはいうものの、リンデンたちは人間工学の応用にも限度があることをわきまえている。あまりに機能性を追求しすぎると、製品の外見は突飛なものとなり、消費者が求めるものとかけ離れてしまうことに、ちゃんと気づいているのである。

展示全体として、とても居心地がいいなあ、という印象を受けた。陶器なんかとても日本的で、日本と北欧にはなにか通じるものがあるのかなあなんてことをちらりと思う。まるで知識がない分野なのでわからないけど。

*1:ボルボのトラクターを見たようなもんだと思ってください。