今回は原作と映画は別モンじゃないからね

1時間電車にゆられて『ローレライ』を観てきた。

小説と映画が競作したような作り方をした今回のような場合、「原作と映画は別モン」と云って済ませられない。これはもう、原作の勝ち。

作者はシナリオをチェックしなかったんだろうか。たとえば、せっかく格好いいセリフがあっても、その格好良さを成立させるだけの文脈(それまでの物語や描写の積み重ね)が足りなければ、白々しいだけで説得力がない。シナリオを練り直すか、こういう語り口で行くなら無理に2時間ちょっとにまとめないで3時間でも4時間でもかけるとかしなきゃ。

パウラの白い包帯姿は変にエロティックでちょっとドキドキ。状況が状況とはいえ、あの姿になんの反応も示さない折笠くん、君はそれでも健康な青少年かっ。それから、原作の「椰子の実」の存在をパウラの歌で代替しちゃってるのも賛成しかねる。せっかくうまい使い方してたのに。