亡国のイージス

観てる間は「なんだかあれこれ中途半端だなあ」という感じ方をしていたのだけど、豪華な出演人の熱演に引き込まれた。のちに思い返すと「あれはあれで良かったのでは」という気になってきて、もう一回観たくなってきた。

全体的に説明不足なんだよなあ。たとえばヨンファとジョンヒの兄妹の野球場シーンや水中での格闘中にジョンヒが如月にキスする理由なんかシナリオ読むまでわからなかったぞ(原作にあったかも知らんが忘れてる。ところで、この映画のパンフレット、シナリオが全文掲載されているのです!その他の記事も気合いが入った作りで読み応えがある。説明不足を補うためとも勘ぐれるけど)。そもそも宮津たちが反乱を起こした理由をわからん人もいるんじゃなかろうかと心配になる。

しかし、説明はしていないけれど描写はしてあるので想像をふくらませる楽しみもある。だからあとから思い返していると感想が変わってくるんだな、きっと。このへんで評価の分かれるのかな。いっそのことジョンヒの存在はばっさり切り捨てて他の部分をふくらませた方が良かったと考える人もいるだろうな。あたしはきれいな女性が出てくることには何の異論もありませんが。

福井原作の通りに熱いメッセージを突きつけてくる映画化と思っていたら意外にそのへんは抑えてアクション娯楽映画に仕立ててあって素直に楽しい。『ローレライ』の数倍はおもしろい映画になっている。