メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産) [DVD]
DVDで観た。
柴咲コウがしかめっ面してるとき、気がつくと僕もしかめっ面をしている。そういう映画だった。
なぜ、その場面でそんな表情をするのか、なぜそんな行動をするのか、明確に説明されることはない。
でもわかる。言葉にはできないけど、素直に気持ちにより添うことができる。
強いて云うなら、要所要所で挿入される空模様が説明になっている。
そういえば、同じ監督、脚本の『ジョゼと虎と魚たち』でも一番好きなシーンは、二人が土手でひっくり返って見る空にぽっかり雲が浮かんでいるところだった。
『ジョゼと虎と魚たち』の自分の感想を読み返してみたら、ずいぶん重なるところが多い。
映像の力、映画の力ってのはこういうことなんだな、としみじみ感じ入った。
脚本も、ほんとうにうまい。よく柴咲コウにマスクを付けさせることを思いついたと思う。マスク一つで人物描写にものすごく広がりが出ている。